近年ではトラックドライバーの居眠り運転などによる事故が多く発生しています。長距離運転をする上で必須となってくるのが「質の良い睡眠」です。正常な判断力を保つためにも、質の良い睡眠を確保し、安心安全な運転を行いましょう。
睡眠不足は最大の敵
長距離運転をする上で一番問題になるのが「睡眠不足」です。平成30年6月1日から、睡眠不足の乗務員を乗車させないために、点呼時に睡眠状況の確認を行うことが義務付けられました。また、全日本トラック協会では、過労死の根絶を図るために策定した『過労死等防止計画』の対策3に「睡眠時間の確保と規則的な運行」を掲げ、睡眠の重要性をドライバーに認識させる働きも行っています。睡眠不足の状態では正常な判断能力が低下し、大きな事故につながる危険性があります。長距離ドライバーにとって一番重要なのは、「質の良い睡眠時間の確保」なのです。
仮眠と睡眠の違い
業務中に休憩のためサービスエリアなどに停車し仮眠をとることも多いと思います。
仮眠とは、「短時間の睡眠をとること」であり、「成人しているヒトに必要とされる一日7~8時間の睡眠時間を満足に得られないときにそれを補完する形で実施されるもの」です。もちろん数分~数十分の仮眠をとることで眠気を覚まし疲労回復は見込めますが、睡眠とは大きく異なります。勤務終了から次の勤務開始までの間にしっかりと睡眠をとることが大切です。
ドライバーが質の良い睡眠を得るために必要なこと
ドライバーが質の良い睡眠を得るためには、職場全体での取り組みが重要となってきます。
- 拘束時間を減らす
ドライバーが勤務時間内に行っていることは運転だけではありません。出発前の荷物の積み込み、到着後の積み下ろし作業があります。これらの作業についてはドライバーが行わない場合が多いですが、作業が完了するのを待っている「荷待ち時間」というものがあります。この荷待ち時間を労働時間外としてカウントし、勤務時間に入れない会社も多いです。その場合、拘束時間と勤務時間にずれが生じてしまい、結果的にドライバーがゆっくりと休める時間が短くなってしまいます。荷待ち時間も勤務時間としてカウントすることで、ドライバーがゆっくりと休み体調を整えることができるため、事故の防止に繋がります。 - 車内設備の充実
サービスエリアなどで見かける休憩中のトラックなどはエンジンをかけたまま停車していますが、荷物の配達先の会社ではエンジンを切るよう義務付けられる場合も多いです。そういった場合、暑くても寒くてもエンジンを切って待機しなければなりません。その間車内で快適に過ごせるかどうかは疲労度合に大きく関係してきます。ヒーターやエアコンなどを車内に整備し、ドライバーが快適に過ごせる環境を作ることも大切です。